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浦里と時知らずとサルスベリ

2018/08/29 16:10 朝ごはん テーブルウェア 趣味

「浦里」で朝ごはん。まずは器選びから。和の古い器やイッタラのグラスなどを並べる。仰々しいのはいけません。これでよし。花、余計だった・・・。

「浦里」は江戸後期の四寸皿に盛り付ける。大葉を敷いていたけれど、邪魔だなと取りのぞく。潔し。

「浦里」?古典落語や浄瑠璃にも登場する花魁が浦里花魁。気に入った客の朝ごはんのために、大根おろしと叩き梅干し、もみ海苔、おかかに醤油でちゃちゃっと作った一品が浦里。伝承料理らしい。車浮代さんの ”江戸の食卓に学ぶ ” に掲載のレシピを参照に作る。

大根おろしは固めに絞り、叩いた梅干しとおかか、もみ海苔、醤油を加えて混ぜるという作り方。ごはんのおかずというよりかはむしろ酒の肴に向くね。ごはんにかけるには大根は絞らないほうが合うと私は思った。


岩手産もぎりっこ胡瓜。夏だね。夏ならではです。胡瓜は塩もみなしで糠漬けにして、浅漬け。決して糠床の風味がもぎりっこに勝っちゃいけない。

泉銀(魚屋)で買った甘塩の時知らずを焼いて、葉蘭を敷いたまな板皿に盛り付ける。今朝のメイン。

時知らず。鮭の十倍ときめくね。ハラスではなかったのでそこまで脂がのっているというのではなかったけれど、細やかな身で上品な味わい。所謂鮭臭さを感じないのは若い鮭だからか?


お味噌汁はいつものね。夏になってからそういえばモロヘイヤのお味噌汁しか作っていない。手軽に野菜が摂れて栄養豊富!のど越しよし!

私のレシピの中で一番思い入れのあるレシピです。カイロで暮したからこそ生まれたレシピだと思っていること、闘病中の母の大好物だったこと、小さかった孫娘たちと葉っぱをちぎった夏のこと、今でも彼女たちの大好物だということ。


ごはんは銀シャリじゃなくて胚芽もち麦入りの胚芽米。穀物の滋味を感じられるあったかごはん。

江戸料理(江戸時代の料理ではなく、お江戸でアーバンライフを送る人々の料理)は銀シャリを如何にたくさんおいしく食べ、あるいは酒を如何に美味く味わうための料理なのだと思う。

しかし銀シャリを腹いっぱい食べられる幸せ、それが仇となり ”江戸わずらい” なる奇病の原因となる。ビタミンB1欠乏からの脚気ですね。


あんなこんなのお江戸に思いを馳せる朝の献立。

一汁五菜の朝ごはん

・浦里 ・甘塩時しらず焼き物 ・空豆入りの玉子焼き~今回は人参は加えず

・ミニトマトのアイコのもずく和え ・もぎりっこ胡瓜の糠漬け

・胚芽もち麦入り胚芽米 ・モロヘイヤのお味噌汁

https://cookpad.com/user_kondates/182642

その後も気になる「浦里」。池波正太郎氏の本を2冊借りてきて読む。


《朝起きて、湯を浴び、歌山と共にゆっくりと酒をのんだ。

そのあとで、大根おろしへ梅干の肉をこまかくきざんだものをまぜ合わせ、これへ、もみ海苔と鰹ぶしのけずったものをかけ、醤油をたらした一品で、炊きたての飯を食べる。

 この一品。名を [浦里] といい、吉原の遊里で、朝帰りの [なじみ客] の酒のさかなや飯の菜に出すものだが、深川でもこのごろは、名の通った岡場所なら吉原のまねをして浦里を出す。

 ちょいと、その、うまいものだ。》~ 池波正太郎「その男(一)」より引用 


「鬼平梅安 江戸暮らし」にも ”お女郎に教わった朝の一品 [浦里] ” というエッセイがあります。

これこれ!これですと大根おろしはほんのかるく水気を切り、浦里を作ってみる。


残った大根おろしの汁はもちのろん、ぐぐっと飲み干す。んぐぐぐー辛っ。

これをたっぷり炊きたてごはんにかけて食べる。

ちょいと、その、うまいものだ!

そんな気分で、浦里のお話はこれにておしまい。

私の 器 note 

時計回りに ー 伊万里色絵四寸皿(江戸後期) 伊万里染付撫子文なます皿(江戸後期) 瓢箪形ガラス箸置き 伊万里色絵大蓋茶碗(明治) 真ん中のガラスの器は23歳のときに奈良の骨董屋で、かっわいい~~っと思って買った氷コップ。


狂った夏が遠ざかる。晩夏の花めぐり。燃える八月の猛暑、太陽をぎらぎら浴びて尚、色褪せることなく咲き続ける サルスベリ。大好きな花。

 

私はサルスベリ咲く並木路が大好きで、桜並木と銀杏並木と同じぐらいときめく。町にはいくつもそんなサルスベリ通りがあるけれど、この通りが私は一番美しいと思っている。

いつの間にか蝉の鳴き声はぴたりと止んだ。サルスベリの樹には幾つも実が生っている。

平成最後の夏がゆく。 浦里 時知らず サルスベリ・・・・・。



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